梅雨が近づくと開花するアジサイ、丸い形をしていますよね。
厳密には、「花」は丸い形の真ん中に小さく開花し、
丸いシルエットの「花冠」の大半の部分は、萼(ガク)が大きく発達した「装飾花」です。
この丸みを帯びた形状を「手まり咲き」と呼び、
「ガク咲き」や、「ピラミッド咲き」と区別されています。
手まり咲きアジサイは、ヨーロッパで盛んに品種改良をされた結果、
現在の形となり、「セイヨウアジサイ」と呼ばれていますが、
原種は日本に自生していたとされる「ホンアジサイ」と呼ばれる品種です。
18世紀後半以降、日本がまだ鎖国をしていた頃、
ドイツ人やオランダ人がホンアジサイを持ち帰り、品種改良が始まったそうです。
ホンアジサイを持ち帰った外国人のうちの一人が、
日本への西洋医学教育で有名なドイツ人医師、シーボルトでした。
ホンアジサイを持ち帰ったシーボルトは、
「Hydrangea otaksa」(ハイドランジア オタクサ)の学名を付けました。
シーボルトは日本滞在中、楠本瀧(お滝さん)という女性を愛し、子を残しており、
この「otaksa」は、「おたきさん」を指しているとの解釈が一般的なのです。
日本で愛した女性に思いを馳せ、日本から持ち帰ったアジサイにその名をつけるなんて、
ロマンチックなストーリーですよねぇ。
(尚、 “otaksa”については、同品種が登録済であったことが後に発覚し、
現在では「Hydrangea macrophylla (Thunberg) Seringe」が学名となっています。
園芸品種名としては「Hydrangea macrophylla (Thunberg) Seringe Otaksa」
として使用できるようです。)
今日はちょっとした花屋トリビアをご提供しましたが、いかがでしたでしょうか。
青山花茂本店でも、青、白、ピンク、赤とさまざまな色の手毬咲きアジサイをご用意しています。
ご来店・もしくはオンラインで是非ご覧ください。