秋の夜長をお月見で

秋分の日(9月23日)を過ぎ、徐々に陽が落ちるのも早くなってきましたね。
空気が澄み、月の輝きも美しく見えるようになりました。涼しい夜風に吹かれ、美しい月を愛でながらゆったりしたひとときを過ごしてみてはいかがでしょう。
お月見には、お月さまに供える花を飾りたいもの。
ご自宅にお月見の花を飾ったり、親しい方や大切な方へお月見の花を贈られてはいかがでしょう。

■月にまつわる伝承や逸話
日本では平安の昔から、人々は夜空の月にさまざまな思いを託してきました。
「竹取物語」はもとより、阿倍仲麻呂の「三笠の山の月」、法然の月影、などなど。
月にまつわるロマンあふれるストーリーやメタファーは、誰の心にも温かい情緒をもたらしてくれます。

■お月見と秋の花
お月見の花といえば、ススキをはじめとした秋の花々。
古来日本の人々は、その秋の実りの穀物や木の実などとともに、秋の野に咲く花々をお月さまに供えて、豊穣への感謝や自然への畏敬の念を分かち合ったのだと言われています。

現代、都会では、秋の野の花々を見ることができるのは大きな公園の庭園くらいでしょうか。
どこにでも咲いているものだったススキさえも、生産栽培される時代となっています。
青山花茂本店では、鑑賞にふさわしい美しい秋の花をさまざまご用意しています。
美しい月に、皆さまそれぞれのお好みの物語など豊かな思いを馳せながら秋の夜長にゆったりとお月見を楽しんでいただきたい。
そんな発想で、お月見にふさわしいフラワーアレンジメントをご用意しています。

アレンジメント<月華>
アレンジメント<風祭>

■今年はいつお月見するか
今年の中秋の名月は10月4日、十三夜は11月1日とのこと。
秋晴れの日が多い季節ですから、深夜に近い時間帯になれば、大都市の高層ビルの窓からも中空の満月を愛でることができそうです。

江戸時代までの太陰太陽暦は、月の満ち欠けをもとに暦を作っていたので、毎月の1日が新月で、1ヶ月は月が地球を一周する29.5日にあわせて29日か30日、月半ばの15日頃が満月でした。そして1年は12ヶ月の年と13ヶ月の閏年があったのです。
そして毎年8月15日が「十五夜(中秋の名月)」、その次の月の美しい月の日の9月13日を「十三夜」として
秋の二度のお月見行事が各地でさまざまに行われていました。

現代、お月さまのことをあまり思わなくなったのは、太陽暦で暮らすようになったからかもしれません。
明治以降欧米に合せて施行された太陽暦は、地球が太陽を一周するのを1年としているため、春分と秋分の日は毎年ほぼ同じ日ですが、月の満ち欠けとは別の暦ですので、毎年「中秋の名月(十五夜)」の日や、「十三夜」の日は、その年によって異なるというわけです。

暦は変わっても、月の光の不思議な美しさは変わりません。
秋の夜長、都会の天空に浮かぶ月と秋の花々のアレンジメントを眺めるゆっくりとした時間をお過ごしください。

執筆:anna


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