お誕生日、結婚記念日、母の日、敬老の日など、さまざまな贈呈の機会、瑞々しい花束は、シーンを彩り豊かに演出してくれます。
花束は、アレンジメントよりも軽くて持ち運びしやすいギフト。直接お渡しするシーンにはおすすめの贈り物です。
今回は、花の色や種類、相場や予算感とサイズの関係、花束を選ぶ際に知っておくとオーダーしやすくなるコツなどをお伝えします。
目次
プレゼントする際の花束の相場は?ご用途と予算で決める花束
花束を贈ろうと考えたとき、どのくらいの値段になるのか?大きさはどのくらいになるのか?気になる方も多いと思います。
青山花茂で花束のお届けのご相談を受けた場合、まず「ご用途」と「ご予算」をお伺いします。
ご用途とご予算だけでも、十分にふさわしい花束を作ることはできますが、「花色」・「品種」・「長さ」など、皆さまご希望のイメージをお持ちなので、会話の中でそれを引き出していくよう心がけています。
ですが、前もっておおよその相場感のようなものを知っていると、オーダーもしやすく、また複数人で一緒にプレゼントする際には、値段とイメージを共有できるので安心です。
簡単に、花束の大きさと値段の関係、予算ごとの花束のイメージをお伝えします。
3000円台までの花束イメージ
3,000円台までのご予算の場合は、花の本数が限られてしまうので無理に長さのある花束にすると、花と花に隙間ができ寂しい印象になりがちです。ですので、短めのブーケスタイルにまとめることをおすすめします。
5,000円未満の花束は、青山花茂のオンラインショップではお取扱いはございませんが、ご来店引き取りであればご予算に制約はございませんので、お電話やご来店にてご相談いただければ幸いです。
5000円〜10000円台の花束イメージ
5,000円〜10,000円の花束ですと、長さ30cmほどのブーケスタイルはもちろんのこと、50cm〜60cmほどのミドルサイズのスタンダードな花束もお作りできます。
同じお値段の場合、長さの違いは花の密度に反比例しますので、長い花束だと花の隙間が少々空いてくるイメージでしょうか。
また、これぐらいのご予算ですと、「驚くような」「抱えるような」ボリューム感を出すのは難しいですが、花束としては平均的なインパクトのものになります。
20000円台の花束イメージ
ご予算が2万円を超えるような場合は、抱えるような大ぶりの花束や、密度の高いラウンドスタイルなど、幅広いシルエットをご提案できます。贅沢に隙間なく花を組みそろえた花束は、重量感があり豪華に仕上がります。
贈る相手やシーンによって選ぶ花束は異なる
お電話やご来店でご相談いただく場合、ご用途・ご予算の他にも、さまざまな点をお伺いすることとなります。
- お色味のご希望はあるか(テーマカラー)
- 含めたい花や、NGな花はあるか(花の種類)
- お住まいへのお届けか、直接お渡しになるか(シチュエーション)
こうしたやり取りを経て、季節も考慮しながらお作りする花束を決めていくことになりますが、
オンラインで品物をお選びいただく際に、どのような品物を選べば良いか迷われることもあると思います。その際に参考になる「花束の選び方」を簡単にまとめました。
テーマカラーを決めて選ぶ花束
ご予算が決まったら、どんな花束にしたいかを考えていきます。スタイルや花の種類でなく、テーマカラーで花束を決めるのも考えやすいでしょう。
お相手が好きな色や、お祝いや記念の日をイメージする色を使った花束を贈ってはいかがでしょうか。
ピンクの上品な花束
ピンクの花は種類も多く、濃淡での表現だけでも豪華な印象になります。花束を贈る相手に女性が多いからか、青山花茂にご注文いただく花束のうち、最も多い色合いです。
女性なら誰しもピンクを好むというわけではありませんが、花の種類も豊富で、フラワーデザイナーとしてもデザインの選択肢が豊富で花を選びやすい傾向があります。
青、紫系の花束
青と紫という神秘的で落ち着いた印象のカラーを使う花束は、性別問わずさまざまなシーンでお選びいただけるギフトです。
ただ、青や紫は、生花店に揃う花の中では比較的、取扱いの少ない色味です。直前ですとご用意がない場合も多いので、注意が必要です。「贈る相手が男性だから青系」とおっしゃるお客さまも多いですが、ピンクでガーリーなイメージでなければ、白グリーンや、黄色オレンジ系の花束も、男性は喜んでくださることでしょう。
白、グリーン系の花束
白・グリーンを中心とした花束は、置く場所やインテリアも選ばず、おしゃれな花束として人気の高いカラーです。若い方の間ではかなり支持されているように感じます。
ただ、ご年配の方に送られる際は、「寂しい」と思われる場合がありますので、その点には配慮される必要があるでしょう。
メインにする花の種類で選ぶ花束
花束を考えるとき、メインの花を決めてから選ぶのも良いでしょう。
バラ、ユリ、カラー、カーネーション、ガーベラなどの花ですと、通年でご用意ができます。
その一方、チューリップ、スイートピー、芍薬、ひまわりなど、人気の花でも、それぞれの季節にしかご用意できない花もありますので、ご希望の花の入荷状況についてはお問い合わせください。
花束を頼み慣れた方にとっては当たり前のことかもしれませんが、選ぶメインの花次第で、花束のスタイルが変わっていくことにも注意が必要です。
影響するのは大きく2点で、「単価あたりの花の大きさ」、「茎や花の形状」です。
バラの花束
例えばバラやカラーのような花は、高級感が出て、人気の高い花です。
それでも、こうした「単価は高いが、花の大きさはさほどではない」ものをメインにすると、花束のお値段に対して、ボリュームが出しづらいという懸念点があります。
大輪のバラだけを使った花束は、豪華で大変喜んでいただけるギフトですが、「1万円のご予算で長さを出して」となると、どうしても花と花の間の間隔が広くなってきます。
芍薬の花束
一方で、カーネーション・芍薬・ガーベラなど、「単価あたりの花のサイズが大きい」花をメインとすれば、同じお値段でも密度高くボリューム感のある花束を作ることができます。
お好きな本数でお作りする芍薬の花束
※お取扱い期間:4月下旬から6月中旬まで
花の向きや長さを生かしたユリの花束
茎や花の形状でもおすすめのスタイルが変わります。例えば百合やひまわりは、花の首が横を向いて咲いているので、どちらかといえばラウンドスタイルには向かず、茎の長さを見せながら作るロングスタイルの花束が、その花の良さを伝えられるでしょう。
可愛らしいチューリップの花束
逆に、長さを出すことが難しい花もあります。例えばチューリップやガーベラなどは、そもそも入荷する時点で茎がさほど長くないので、ブーケスタイルやラウンドスタイルでの提案が多くなります。
白いチューリップと黄色いラナンキュラスの花束
※お取扱い期間:1月中旬から3月中旬まで
このように、花の特性によって、花束の作り方に制約があり、それが楽しさでもあります。メインの花がお決まりの場合は、生花店のスタッフにご相談いただければ、メインの花の特長が最大限に生かせるスタイルをご紹介してくれるでしょう。
シチュエーションによって異なる、オススメのスタイル
花束と言っても、片手に持てる小さめのものから、両手いっぱいで抱えるほどの大きなものまでさまざまです。
花の種類やご予算によって適切なサイズ感がある、とはお伝えしたものの、シチュエーションによっても、オススメの花束のスタイルは変わってきます。
誕生日会、発表会などのお祝い 豪華でボリューム感のある花束にしたい
ボリューム感を出し、壇上で贈呈されるような花束を作るなら、ご用途をお伝えしつつ、「ロングスタイルで」とオーダーすると良いでしょう。
花束は、スパイラル(らせん状)に組むかストレートに組むか、長く作るか短く作るか、など作り方はさまざま。スパイラルに組み、花や枝の「振り」を生かすように作ると大きい花束になります。
ロングスタイルは、最大で80センチほどの花束で、ユリなどの長い花はその良さが最大限に引き出されます。ラッピングも、花を両手で抱えたときに美しく見えるようイメージして仕上げています。
ただし、先ほどもお伝えしたように、ご予算が少ない中でボリュームを出そうとすると、花の密度が低くなってしまうことも、押さえておきたいポイントです。
卒業式や送別会の席など、持ち帰りにも配慮して小さめにまとめたい時の花束
持ち帰りしやすい小さめの花束を作りたい場合には、花が密集した形で密度を高く作ってもらうようにオーダーします。「ラウンド風に」「ブーケ風に」と伝えると良いでしょう。
原則として、どのようなご予算でも、茎を短く切り、花の密度を高めることで、40cmぐらいの長さのラウンドスタイル(花がまとまって四方に向いている状態)の花束にすることは可能です。
相手の方が公共機関で移動されるようであれば、お手持ち用の袋を添える配慮ができるとスマートです。ご注文時に、持ち帰り用の袋についてご相談ください。
プロポーズを決める 勇気をくれる花束
人生の伴侶となる方へ気持ちを伝える大切なプロポーズの日。このような特別な時、持ち帰り云々よりも、ゴージャス感を重視したいところ。ロングスタイルのバラの花束を選ばれる方が圧倒的に多いです。深い愛情を表現するとともに、ご自身に勇気を与えてくれる花束はいかがでしょう。
青山花茂では、国内産の最高品質の大輪バラで作る豪華な花束をご用意しております。お渡ししてから、美しく花開いていく時期のものだけを厳選し、一輪ずつのバラが美しく重なるようお作りします。本数や色などもご相談ください。
また、プロポーズなどの際、レストランでの食事の際にお渡しする場合は、事前に予約してレストランに直接配送を依頼することも可能です。
青山花茂では、事前にレストランやホテルへ花束をお届けすることも多くございます。事前に店舗と打ち合わせをし、適切なタイミングでお届けいたします。また事前にご予約いただければ、お仕事帰りに店舗でスムーズにお受け取りいただくことも可能です。
参照:「失敗しないプロポーズの花束選びのコツ。バラの本数ごとの意味や渡し方など」
花束をもらったら、長持ちさせる保存法
花束を贈る場合について、いろいろお伝えしてきました。
逆に、花束をいただいたら、その美しい姿を少しでも長持ちさせるためにはどのようにすると良いでしょうか。長く美しい花を楽しむために、ご自宅で気を付けたいことをお伝えします。
花束をもらった後は、ラッピングは外すべき?
花束をもらった後は、ラッピングは外しましょう。きれいだからとつけたままにしていると、花や葉が傷みます。丁寧に外して、切り口が乾かないうちに水切りをします。
青山花茂では、花束の茎元にゼリー状の水が入ったエコゼリーという袋に入れてお渡ししていますが、それでも持ち歩きの時間が長いと劣化しますので、お持ち帰り次第、早めに花瓶に入れるようにしましょう。
水切りの方法や、切り花を長持ちさせる方法については、「切り花を長持ちさせる方法は?老舗生花店がお答えします」で解説しています。
花瓶の選び方、大きさはどう決める?
飾る花瓶の選び方、花束と花瓶の大きさの関係についても、お客さまからご質問をいただくことがあります。
まず花瓶の選び方で大切なことは、きれいに洗えるかどうかです。水の入っている底と側面にぬめりが残ってしまうと、雑菌が繁殖しまいますので、口がある程度大きく、清潔に保つことができる花瓶がベターです。
花瓶の大きさは、どれだけの花を飾ることができるかの見極めが必要。花器口と底面の直径が異なる場合は、直径が小さい方に合わせて適切な花の量が決まることを知っておきましょう。
花瓶の高さは、小さめのブーケスタイルやラウンドスタイルの場合は、15~25センチほどの高さ、縦のラインが長いロングスタイルの場合は、高さ30センチ以上の花瓶だとバランスよく、倒れにくくなるので安心です。
私たち生花店スタッフが花瓶にディスプレイをする際によく考えることとして、「上に向かって花瓶の口が広がっているか、それとも花瓶の口が狭まっているか」というポイントがあります。
形状にもよりますが、花活けがより簡単なのは、「上に向かって花瓶の口が狭まっているタイプ」です。その方が、茎を花瓶の中で動かすことができ、また、花器口の部分で花を固定することができるので、花を留めやすい(好きな位置に持っていきやすい)のです。
逆に花瓶の口が広がっていると、なかなか花を固定しづらいですね。だからと言って広がっている花瓶がいけない、というわけではなく、そのスタイルが持つ美しさも当然あるのですが。入門編としては口がすぼまっているタイプか、ストレートなタイプのシリンダー花瓶をおすすめします。
花束が彩る、特別なひと時に
花束は、贈られる人はもちろん、贈る人にとっても大切なシーンを素敵に演出してくれるアイテム。どんな花でどんなスタイルの花を贈るのか、選び方は人それぞれです。
お相手のイメージ、ご用途、ご予算をお伝えいただけますと、スタッフがシーンにぴったりの花束をお作りします。
この記事の監修者
株式会社青山花茂本店 代表取締役社長
北野雅史
1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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この記事を書いた人
青山花茂本店
東京・表参道にある宮内庁御用達の生花店です。花一輪一輪を大切にお作りしたアレンジメントや花束、名人達が丹精こめて育てた蘭鉢や花鉢など、最高品質のフラワーギフトを全国へお届けしています。1904年の創業時より培ってきた、花の知識やノウハウを綴っていきます。
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