映画やドラマで見るプロポーズのワンシーンには、必ずと言っていいほど花束が登場しますよね。私たち青山花茂にも、たくさんのプロポーズの花のご注文をいただきます。今回は、プロポーズの場合はどのような花のご注文が多いか、何に気をつけるべきかなどを紹介します。
目次
やっぱりプロポーズに花は欠かせない
プロポーズのシーンに欠かせない花束。実際のところ、指輪などアクセサリーのプレゼントが主役で、花は脇役であることもあります。一方で、まずはプロポーズの言葉とともに花束を渡して、「エンゲージリングは一緒に買いに行こう」という方も最近は多いようです。
主役にするにしても、脇役として使うにしても、プロポーズという一生に一度のシーンの「特別感」を演出するのに花は最適です。何より、お付き合いしている男性から花をもらって嬉しくない女性は少ないでしょう。私の知人関係でも、ほとんどの男性がプロポーズには花を渡していますが、日頃フラワーギフトを贈る機会がほぼない男性であっても、「やっぱりプロポーズには花でしょう」と言って花束を用意していました。
プロポーズの花で多いのは、圧倒的に「バラの花束」
プロポーズの花のご注文で、圧倒的に多いのが「バラの花束」です。私の感覚では、青山花茂にご注文いただくプロポーズのご用途の花のうち、9割がバラの花束、さらにそのうちの9割が赤バラの花束、といったところでしょうか。「プロポーズといえば赤バラの花束」という印象が、特に男性側に強いようにも思います。
花束のご予算は、5千円から3万円超までさまざまで、その花束がプロポーズにおいて主役として使われるか、または指輪のプレゼントなどの脇役として使われるか、によってご予算も異なるでしょう。
青山花茂で花束をお作りする場合、赤バラのみで5千円の花束となるとバラの本数は6本程度なので、ボリュームとしては可愛らしいサイズになります。2万5千円を超えると、30本以上になりますので、両手で抱えるようなインパクトの大きな花束が作れます。
バラは、他の花と比較すると、日持ちがしづらい品種です。とても繊細な花だからこそ、青山花茂は、常に最高級品のバラのみを仕入れ、入荷間もない鮮度の良い花をお届けすることに強いこだわりを持っています。プロポーズのような、失敗の許されない特別な機会だからこそ、ぜひお選びいただきたい品物です。最高品質のバラの一輪一輪の存在感と感動は、ご利用いただければきっとご納得いただけると思います。
プロポーズのバラの色は赤でなくてもOK
さて、プロポーズの花は赤バラでなければならないのでしょうか?確かに赤バラは花言葉も「あなたを愛しています」「愛情」などと言われ、お相手への深い愛を表現するのにぴったりではありますが、ピンクのバラも「愛を誓います」、白バラも「約束」など、プロポーズに適切と思われる花言葉を持つとされていて、「赤でないといけない」というわけではありません。
バラの色ごとの意味 | |
バラの色 | 意味 |
赤 | あなたを愛しています・愛情・情熱・熱烈な恋など |
白 | 約束・純潔・私はあなたにふさわしい・深い尊敬など |
ピンク | 愛を誓います・しとやか・上品・可愛い人など |
オレンジ | 無邪気・魅惑・絆・信頼など |
紫 | 誇り・気品・尊敬など |
最近では、花言葉を気にされる方も多く、色別に花言葉が違うことが知られるバラについては、特に迷われるようです。色だけでなく本数によってもさまざまな花言葉がありますが、それら花言葉の出自・根拠は不明な部分が多く、生花店としても断言しづらいところです。花言葉にこだわるのも良いですが、最後はお相手が好みそうな色で選んでも良いのではないでしょうか。
本数にこだわるならお二人にゆかりのある数を選んでは
贈る本数にも、それぞれ意味があるとされます。
例えば12本の「ダズンローズ」を贈る風習がヨーロッパにはありますが、12本のバラには「感謝・誠実・幸福・信頼・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」と意味が込められているとされます。また、108本のバラの花束は、「永遠(とわ)」の語呂合わせから、「結婚してください」の花言葉を持つとされます。
バラの本数ごとの意味については出典不明ですが、国内外で言われている本数ごとの意味について以下にまとめました。
バラの本数ごとの意味 | |
バラの本数 | 意味 |
1本 | 一目ぼれ、あなたしかいない |
2本 | この世界は二人だけ |
3本 | 愛しています |
4本 | 死ぬまで気持ちは変わりません |
5本 | あなたに出会えたことの心からの喜び |
6本 | あなたのものになりたい |
7本 | あなたに夢中です |
8本 | あなたの思いやり、励ましに感謝します |
9本 | 永遠に一緒にいてください |
10本 | あなたは完璧 |
11本 | あなたは私の最愛の人です |
12本 |
私と付き合ってください |
感謝・誠実・幸福・信頼・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠(ダズンローズの12の意味) |
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13本 | ひそかな愛 |
15本 | 本当にごめんなさい、許してください |
20本 | あなたを誠実に愛しています |
21本 | あなただけに尽くします |
24本 | 一日中思っています |
33本 | 大きな愛情とともに「愛してる」を伝えます |
40本 | 私の愛は本物です |
50本 | 後悔のない愛 |
99本 | 永遠の愛 |
100本 | あなたに全て(100%)を捧げます |
101本 | あなたは私の唯一無二の存在です |
108本 | 結婚して下さい |
365本 | あなたが毎日恋しい |
999本 | 何度生まれ変わってもあなたを愛する |
12本だと、プロポーズの花束としてはちょっとボリュームが小さいかもしれません。一方、「永遠(とわ)」の語呂合わせと「結婚してください」の花言葉を持つとされる108本のバラの花束だと、インパクトは抜群ですがだいぶ大きくなります。
生花店の目線では、それなりのボリュームがあって、持ち運びもしやすい、20本〜30本前後がちょうど良いかな、と思いますが、花束にかけられるご予算から本数を決めるのはもちろんのこと、出会った日の日付や、お相手の誕生日にちなんだ数字、など、お二人にゆかりのある数字を選ぶのも素敵ですよね。
青山花茂オンラインショップでは、10本以上から赤バラの本数をご指定いただくことも可能です。どうぞご利用ください。
バラの花束以外にも。お相手の好みに応じてお選びください。
もちろん、バラの花束以外を選ぶお客様もたくさんいらっしゃいます。「赤バラだとちょっとド定番すぎて恥ずかしい」、「バラ以外にお相手が好きな花がある」、「花束だと大きすぎて持ち帰りが大変そう」など、ご事情はさまざまだと思います。
女性だからといって、赤バラが必ずしも大好きというわけではないでしょうから、お相手の好みの花が分かっている場合や、お二人にゆかりの花があるなら、そちらを選ばれる方がプロポーズの成功に効果的な場合もあるのでしょう。
お相手の好みに合わせてバラ以外の花束でも
私が過去に接したプロポーズの事例の中から、ふと思い出すものとして、カサブランカの花束、ひまわりの花束が印象に残っています。
カサブランカの花束をご指定いただいたお客様は、お相手の女性がとてもカサブランカがお好きだということで、カサブランカのみで花束をお作りしました。バラでもなく、色も白ですが、香りもよくとてもゴージャスな仕上がりで、お相手を感動させるには十分な花束でした。
季節限定の花束でプロポーズも
特に花が好きなお相手の場合は、プロポーズの時期に合わせてその時の旬の花をプレゼントするという方法も季節感があって喜ばれるかと思います。ここでは、プロポーズにおすすめの季節限定の花をいくつかご紹介します。
芍薬(切り花の流通時期:4月下旬〜6月)
芍薬は、その華やかな姿から「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉にも登場する、日本を代表する美しい花の一つ。大輪の花、幾重にも重なる花びらはとても優雅で、近年では女性を中心に高い人気を集めています。
英語名のピオニー(peony)という名前はさまざまなブランドの香水にも採用されるなど、爽やかさを感じさせる香りも魅力的です。
参照:「高貴な美しさを漂わせる芍薬(シャクヤク)。種類や特徴、芍薬と牡丹の見分け方などをご紹介」
青山花茂では、通常のご注文時には芍薬の花をより長く楽しんでいただくために、開花しはじめのツボミに近い状態の花束をお届けしています。ただ、プロポースの場合には芍薬が長くもつことよりも、その時の一瞬に最も花が綺麗に見えることを重視した方がその目的を果たせるかと思います。
実際、ご注文されたお客さまから「プロポーズなのでその時に咲いているようにしてもらいたい」とご依頼をいただくこともあり、芍薬などの咲かないと見栄えがしない花のときは、咲いた状態で花束を製作しています。
そのためプロポーズに芍薬の花束を注文する際には、恥ずかしがらずにはっきりとプロポーズで使うことを生花店に伝えていただけると、その時に最適な花の咲き具合を話し合い、ベストな状態でお届けすることができます。
ヒマワリ(切り花の流通時期:5月〜9月)
夏の太陽をあびて丸い花を咲かせる、明るい印象のヒマワリ。近年は小ぶりな花が品種改良されるなど、花の形や色も豊富になっています。
参照:「ヒマワリは太陽の方を向いて咲いていない?種類や歴史、長持ちする飾り方をご紹介します」
以前、ヒマワリの花束をご指定いただいたお客さまのケースは、プロポーズのタイミングが5月ではあったのですが、二人の思い出の場所がひまわり畑であったということで、5月に入荷可能なハウス栽培のひまわりを仕入れ、ひまわりのみ50本の花束をお作りしました。
ミモザ(切り花の流通時期:2月中旬〜3月上旬)
小さな黄色の花がたわわに咲く花、ミモザ。ヨーロッパの地中海沿岸地域では、春の訪れを告げる花として愛されています。太陽の色を黄色でイメージする欧州では、寒さがまだ残る頃に咲くミモザが暖かい太陽のように見えたのでしょう。そのことから南フランスではミモザを「冬の太陽」と呼ぶこともあるそうです。
イタリアでは、3月8日を「ミモザの日」としており、男性から女性へ日頃の感謝や尊敬の気持ちを込めて、ミモザを贈ります。この習慣がやがて「国際女性デー」として世界に広まりました。イタリアの伝統に習って、ミモザの花と共にプロポーズするのも素敵ですね。
参照:「早春の頃に咲く黄色い花・ミモザの特徴 切り花のお手入れ方法や飾り方など」
ラナンキュラス(切り花の流通時期:12月〜3月)
花びらが大きく開くさまが美しいラナンキュラス。一般的な知名度は、チューリップやスイートピーなどの春の定番の花には劣るかと思いますが、近年では人気が急上昇している花のひとつです。幾重にも重なる花弁はバラを思わせる豪華さと可憐さを持ち合わせており、プロポーズの瞬間を華やかに演出してくれるでしょう。
色や咲き方のバラエティが豊富で、品種によっても雰囲気が異なるので、お好みの色や咲き方がある場合は事前に問い合わせをするのがおすすめです。
参照:「人気急上昇中の春の花ラナンキュラス。花づくりの現場を訪れました」
花束ではなく、BOXアレンジメントという選択も
家の外でプロポーズする際に、花束だと少しかさばることが気になる方にオススメしたいのは、BOXアレンジメントです。茎を短く切った状態なので、花の密度が高く、花の数に対してボリュームは小さく仕上がっています。
青山花茂のBOXフラワーは、特製のボックスに、ゴールドのリボンをお付けしてお届けします。開けた瞬間の感動をぜひ味わっていただきたい品物です。
サプライズで花束を渡すならレストランやホテルでのお渡しがおすすめ
ご自宅、レストラン、ホテル、車中、屋外の思い出の場所など、プロポーズのシチュエーションはさまざまです。プロポーズの際に花束を渡すなら、直前までお相手に悟られないようにしておきたいものですが、サプライズを成功させることができるかは、段取りの工夫にかかっていると思います。
ご自宅の場合は、宅配便で時間指定も可能です
夜景の見える場所で・・・というイメージのあるプロポーズですが、ご自宅でプロポーズをする方もかなり多いと聞きます。遠い記憶ですが(笑)、実際私もそうでした。
ご自宅でサプライズとして花束を渡すとき、直前まで他の部屋やクローゼットの中などに隠しておくことになるわけですが、生花は鮮度に注意が必要です。前日に届いた花束を、ラッピングされた状態で翌日まで自宅で保管すると、特に夏の高温多湿の場所で、渡す時までに時間がかかりすぎると花が萎れてしまうという最悪の事態もあり得ます。お相手の不在時に時間指定で花束が届くように手配する、直前に生花店からピックアップするなど、花の鮮度を意識した事前準備がポイントです。
レストランやホテルには事前にお届け
もっとも花束を隠しておきやすいのは、やはりホテルやレストランなど、周囲からの助けを受けやすいシチュエーションです。手間もかからず、鮮度の良い状態で花束を渡すなら、この方法が最もおすすめです。ホテルに宿泊する際ならチェックイン時間までに、レストランでの食事の際にはご予約時間までに、バックヤードにお花をお届けしておくことができます。あとは適切なタイミングで席を外して花束を取りに行くことができます。ホテルや飲食店のスタッフと事前に段取りをしておくとさらに安心です。
その他、車中や屋外でのサプライズはなかなか難しいですが、予約した花束を生花店からピックアップして車のトランクやコインロッカーに預けておくなどの方法を採る方もいらっしゃるようです。
早めに手配しておくことが重要!プロポーズの花束準備の要点まとめ
プロポーズでの花贈りについて色々と語ってきましたが、プロポーズの花束を準備する際に重要なことをまとめると、以下の3つに集約されると思います。
1.赤バラの花束が多いが、大事なのはお相手や二人にとって適切なものを選ぶこと
プロポーズの花束といえば、大半の方が赤バラの花束をお選びになりますが、花の種類も、色も本数も、決まりがあるわけでありません。赤バラはもちろん王道でオススメですが、お相手の好みの花や、お二人のゆかりのある花・本数で選ぶことで、よりストーリー性のあるプロポーズを演出することもできると思います。
2.失敗の許されないシーンだからこそ、良い花を選びたい
やはり一生に一度のことですし、結婚のお伺いをたてる重要な場面ですから、指輪も、食事も、花も、一生の思い出に残るものを選んでいただきたいと思います。花も、生花店によって扱う品物には大きな差がありますので、失敗の許されないシーンでは、デザイン・品質・サービスに定評のある生花店を選ばれることをおすすめします。
3.花選びも、サプライズの段取りも、早めの手配が重要
直前のご注文だと、渡したい花が揃わないケースが多々あります。1週間前までのご予約であれば、お渡しする日にベストな状態で、ご希望にかなう花をお届けすることができます。
レストランやホテルへのお届け、ご自宅へのお届け、あるいは生花店の店頭でのピックアップなど、スマートに花束を渡すための段取りも、日程に余裕を持ってご準備されることがプロポーズの成否に効いてくると思います。
青山花茂本店の昔話ですが、100日の間かかさず1本の赤バラをご来店で購入され、南青山に住む女性に1日に1本ずつ渡し、最後の100日目に100本の赤バラの花束とともにプロポーズをされ、めでたくご結婚なさった方もいらっしゃったと伝え聞きます。
お相手の心に一生残るプロポーズを、花の力でお手伝いできることは、生花店のスタッフにとっても本当に嬉しいことです。
青山花茂では、バラをはじめとして、最高品質の花をご用意してお待ちしております。花選びや渡し方に不安がある方も、お電話やご来店、もしくはお問い合わせページを通じてお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが対応させていただきます。
電話:03-3400-0871
さて、ここだけの話ですが私は若かりし頃、準備不足により、プロポーズのやり直しを命じられた経験がございます(笑)。これからプロポーズを迎える皆さまには、周到な準備を経てプロポーズに臨まれることを願ってやみません。
この記事を書いた人
株式会社青山花茂本店 代表取締役社長
北野雅史
1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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