叙勲・褒章祝いに選ばれるフラワーギフト。花贈りのタイミングや立札(木札)などの注意点も解説します

赤リップのミディ胡蝶蘭5本立ち

国や社会に対して大きな貢献をした方々に授与される勲章や褒章。年に2回の授与の機会は、それぞれ「春の叙勲・褒章」「秋の叙勲・褒章」と呼ばれ、多くの方にとって、一生に一度の栄誉ある表彰です。

叙勲・褒章祝いの贈り物としてフラワーギフトを選ばれる方も多く、青山花茂でもこの季節には胡蝶蘭やアレンジメントなどのご注文をいただいています。

今回は、勲章や褒章の全体像の整理と合わせて、勲章や褒章を受けられた方にお祝いの花を贈る際に注意したいことなどを綴りました。

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。

勲章と褒章が授与されるのは春と秋の年二回

旭日章(きょくじつしょう)や瑞宝章(ずいほうしょう)などの勲章と、黄綬褒章(おうじゅほうしょう)や藍綬褒章(らんじゅほうしょう)などの褒章は、毎年4月29日の昭和の日と11月3日の文化の日に発令されます。勲章が授与されることを「叙勲」と言いますが、褒章を授与されることは同じ言葉で「褒章」と言います。

これら2つの栄典制度をまとめて、4月29日の授与の機会は「春の叙勲・褒章」、11月3日の授与の機会は「秋の叙勲・褒章」と呼ばれています。「褒章」を省略して「春の叙勲」「秋の叙勲」と呼ばれることもありますが、「褒章」も含んだ表現であることが大半です。

勲章と褒章の種類と対象者

勲章・褒章のいずれも、多くの人にとって一生に一度の栄典ですが、限られた方々に贈られるため、詳細はあまり知られていないかもしれません。どのような勲章や褒章の種類があり、それぞれがどのような功績に対して贈られるのか、簡単にまとめました。(※詳しくは内閣府ホームページ等をご覧ください。)

勲章・褒章の種類
勲章 大勲位菊花章頚飾だいくんいきっかしょうけいしゅく
大勲位菊花章大綬章だいくんいきっかしょうだいじゅしょう
桐花大綬章とうかだいじゅしょう
旭日章きょくじつしょう 旭日大綬章きょくじつだいじゅしょう
旭日重光章きょくじつじゅうこうしょう
旭日中綬章きょくじつちゅうじゅしょう
旭日小綬章きょくじつしょうじゅしょう
旭日双光章きょくじつそうこうしょう
旭日単光章きょくじつたんこうしょう
瑞宝章ずいほうしょう 瑞宝大綬章ずいほうだいじゅしょう
瑞宝重光章ずいほうじゅうこうしょう
瑞宝中綬章ずいほうちゅうじゅしょう
瑞宝小綬章ずいほうしょうじゅしょう
瑞宝双光章ずいほうそうこうしょう
瑞宝単光章ずいほうたんこうしょう
文化勲章ぶんかくんしょう
宝冠章ほうかんしょう
褒章 紅綬褒章こうじゅほうしょう
緑綬褒章りょくじゅほうしょう
黄綬褒章おうじゅほうしょう
紫綬褒章しじゅほうしょう
藍綬褒章らんじゅほうしょう

勲章と褒章の違い

勲章と褒章の二大栄典制度のうち、勲章は社会や国に対しての長年の貢献を讃えるもの、褒章は特定分野で優れた功績を納めた民間人に授与されるものです。対象者数としては、勲章の方が褒章よりも多いことはあまり知られていないかもしれません。(2022年秋は、旭日章と瑞宝章を合わせて3,999名、褒章は746名が受章しています。)

馴染みのある旭日章・瑞宝章・文化勲章

勲章のうち、大勲位菊花章は主に内閣総理大臣経験者、桐花大綬章は衆参両議長や最高裁判所長官経験者、宝冠章は外国人や女性皇族などが対象なので、民間人が受章する勲章として馴染みがあるのは、旭日章(6段階)・瑞宝章(6段階)・文化勲章の3種類でしょう。

旭日章・瑞宝章共に国家または公共に対し功労のある方が対象ですが、旭日章は特に、「功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた方」に授与され、瑞宝章は、「公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方」に授与されます。図にあるように旭日章と瑞宝章は、それぞれ6段階にランク分けされています。そして、文化勲章は「文化の発達に関し特に顕著な功績のある方」が対象です。

毎年数名のみ選ばれる文化勲章とは異なり、毎年春と秋に旭日章と瑞宝章を合わせて数千名の方が対象となるため、周囲に受章された方がいらっしゃる場合もあるのではないでしょうか。

色別に6種類に分かれる褒章

褒章は以下の6種類に分かれており、それぞれ受章の理由が定められています。

種類 授与対象
紅綬褒章こうじゅほうしょう 自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した方
緑綬褒章りょくじゅほうしょう 長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた方
黄綬褒章おうじゅほうしょう 農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する方
紫綬褒章しじゅほうしょう 科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方
藍綬褒章らんじゅほうしょう ・会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方
・国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した方
紺綬褒章こんじゅほうしょう 公益のため私財を寄附した方

毎年、藍綬褒章と黄綬褒章が最も対象者が多く、褒章の受章祝いのお花をお届けする際にもよく耳にするのはこの2つの褒章です。

叙勲お祝い・受章お祝いにフラワーギフトを

叙勲・褒章のお祝いに選ばれる贈り物は、お菓子やお酒、アクセサリーや食器などさまざまですが、フラワーギフトを選ばれる方も多く、青山花茂でも春秋のこの季節には胡蝶蘭やアレンジメントなどのご注文をいただいています。

やはり最も多く選ばれるのは胡蝶蘭。相手方との関係性にもよりますが、通常のお祝いよりもご予算相場は高い印象で、2万円から5万円程度でしょうか。勲章や褒章の種類によらず、大輪3本立ちの白色の胡蝶蘭を特に多くお届けしています。

白い大輪胡蝶蘭3本立ち
胡蝶蘭(大輪 3本立ち)

胡蝶蘭とは異なるものを贈りたいお客さまからは、フラワーアレンジメントのご注文もいただきます。同じ切り花でも花束よりは、手間なくそのまま置いて観賞できるフラワーアレンジメントがおすすめです。

赤いバラのアレンジメント
赤バラのアレンジメント(大輪65本)

受章パーティがホテル宴会場などで開催される場合はスタンド花をお贈りする機会もあります。こちらも3万円程度が平均のご予算となります。

ピンクの色調のスタンド花
スタンド花 1段(ピンク系・花材おまかせの祝い花)

叙勲・褒章のお祝い花を贈るタイミング

お祝いをお贈りする多くの場合、429日または113日の発令当日、もしくは発令後1週間以内にお贈りされる方が大半です。贈り先としては受章者様の個人宅に贈られる場合が多いですが、職場にお贈りされる方もいらっしゃいます。

叙勲・褒章の受章の知らせは、本人には内示として1〜2ヶ月前に官庁から連絡が入ります。発令当日よりも前に受章の知らせを聞いた場合、「内示」の段階でお祝いの花を贈られるご依頼主もいらっしゃいますが、発令当日までに変更がないとも限りませんので、発令日当日もしくはそれ以降のお届けをおすすめします。

後日受章パーティが行われる場合は会場にスタンド花を届けますが、叙勲・勲章の発令直後に個人宅にお祝いの花をお届けし、さらにパーティー会場にも花を出される方もいらっしゃいます。両方贈るか、どちらか一方にするか、これは対象者との関係性にもよりますのでさまざまです。

叙勲・褒章のお祝い札の書き方

一般に、叙勲・褒章に花を贈られる機会は頻繁ではないことなので、お祝いの札の表記に悩まれることもあるでしょう。表記は、他のお祝いのご用途と同様、お祝い文言、贈り主名、相手先名で構成されます。

図に叙勲のお祝いの際の6パターンの札表記を例示しましたが、最も多いのは、勲章の名称を明記するAとBでしょうか。お祝い文言をシンプルに「叙勲御祝」とするCもよく見る札表記です。「贈り先に受章者が複数いらして誰宛かわからない」ということはほぼないので、E・Fのように相手先を明示する必要性が低く、それよりも同じスペースで文字が大きく表記されるパターン(A〜D)を選ぶ方が多い印象です。

叙勲関連の札
叙勲関連のお祝い札

同じく、褒章の受章祝いの場合の表記レイアウトも以下に6種類例示しました。叙勲のお祝いと同じくA・B・Cあたりを選ばれる方が多いです。なお、勲章ではなく褒章なので、「叙勲御祝」とするのではなくCのように「受章御祝」とするのが正しい表記であると考えています。

受章関連の札
受章関連のお祝い札

5つある「じゅしょう」間違いに注意

勲章や褒章のお祝いのフラワーギフトをご用意している際に、しばしば混乱してしまうことがあるのが「じゅしょう」の表記です。

「受賞」は誤り

まず、受章と受賞の混同があります。勲章や褒章を授与される機会であり、何かの賞を受けるわけはないので、受賞ではなく受章と表記します。「受章御祝」や「藍綬褒章を受章」となります。

「授章」も誤り

受章と授章を混同されるケースもよく見ますが、授章の「授」は「さずける」という意味を持っており「授賞式」などで使われる漢字です。章を授与する行為をいうのであれば「授章」は正しいですが、勲章や褒章をいただいたことを祝う機会なので「授章祝い」ではなく「受章祝い」としましょう。

さらに「綬章」もあってややこしい

「旭日中綬章」など、勲章の名称の一部に「綬章」が含まれている場合もあり、さらにコトが複雑になります。「綬」は勲章をつり下げるくみひもを意味しており、「受章」と混同しないように注意が必要です。

このように、受章・綬章・受賞・授賞・綬章と、誤りである漢字も含めて5種類の「じゅしょう」が登場します。叙勲関連の場合、多くが「受章」ですので、ご発注時に誤りのないようにご注意ください。

叙勲・褒章のお祝いに、青山花茂のフラワーギフトをお選びください

長年の功績を称えて授与される叙勲・褒章。多くの方にとっては一生に一度の栄誉ある機会です。華やかなフラワーギフトはお祝いの雰囲気を盛り上げ、どなたにも更なる喜びを添えるなによりの贈り物です。どうぞ、胡蝶蘭やアレンジメントなど、格調高い青山花茂のフラワーギフトをお選びください。

贈る花のスタイル、贈るタイミング、木札の表記など、ご不明点があればお電話やお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。みなさまのご注文を心よりお待ちしています。

電話:03-3400-0871
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この記事を書いた人

青山花茂本店代表取締役社長北野雅史

株式会社青山花茂本店 代表取締役社長

北野雅史

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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